母方の従姉が家系図を作る作業をしていて、私にも手伝ってほしいと言ってきたので、参考のためにどんなことをするのか「家系図をつくる。」という本を読んでみました。
私自身は、家系図とか先祖とかには全く興味がありませんでした。が、昨年父が亡くなって、父の生まれてからの戸籍謄本一式を取りましたら、私が知らない人の名前が何人もいました^^;ので、少し気になってはいて…。
家系図をつくる。——あなたの家系のヒストリーがわかる
永峰 英太郎 (著), 渡辺 宗貴 (監修)
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家系図をつくるやり方 メモ
1.先ずは戸籍謄本を取る
戸籍法の制定は、明治4年(1871年)なので、江戸時代末に生まれた人まで上手く行けば遡れる。
戸籍謄本を取れるのは直系尊属だけ。
父から(父方の)祖父・曽祖父・高祖父(あれば…)
母方の祖父・曽祖父・高祖父(あれば)
戸籍謄本の種類は3種類
- 戸籍謄本
- 改正原(はら)戸籍謄本
- 除籍謄本
戸籍謄本の書式
戸籍謄本の保存期間は150年なので、明治期の戸籍は日々捨てられている?今が最後のチャンス?(← 家系図作成業者の宣伝文句?)
2.菩提寺に過去帳を見てもらう
江戸時代は寺請制度があって、皆どこかのお寺(菩提寺)の檀家になっていた。(1671年〜)
菩提寺には、誰に、いつ、どんな戒名(浄土真宗は法名)を授けたか過去帳に記してある。菩提寺がわかって、そこに問い合わせると上手く行けば江戸時代の初めまで遡れるかもしれない。(菩提寺の方針次第、個人情報もあって年々厳しくなっている)
*管理人注
本では言及されていませんが、もし、宗門人別改帳などがわかって閲覧できれば、良い資料になると思われます。宗門人別改帳は、図書館や資料館(特に郷土資料館)に保管されていたり、寺院や元庄屋の家、郷土史研究家などが個人で保管している場合もあります。ヤフオクに出品されていることもあります。
3.名前から先祖のことを知る
に先祖の誰かの名前があるかもしれない。意外にあるらしい。
私も父親の名前を国会図書館デジタルコレクションで検索したら、70年前の雑誌に弁論大会で賞を取ったことなど数件見つけることができました。
4.戦国時代は空白地帯
人の移動が多くなったこともあって、わからないことが多い。
5.1000年前から家系の流れを推定
推定材料は、名字や地名や家紋や郷土誌など
自分の名字は、源平藤橘のどれか? 名字の由来を「姓氏家系大辞典」で調べる、など
追記
本には記述はなかったですが、郷土史のサークルが各地にありますので、そこの人に聞くと親切に教えてくれるようです。私も先祖と思しき人が古文書に数回記述があると教えてもらいました。
感想
最終的な家系図は、古代から中世から始まり、40代ほど空白があって、それから近世近代の確かな系図につながるようになっています。
例:サンプルでは、天御中主尊という古事記で最初に登場する神が祖であったり、源氏の祖・清和天皇の子孫ということになっています。
中世以前の部分は、よく言えば推定ですが、単なる想像の域を出るものではないので、こういうのを入れる必要があるのか大いに疑問です。
家系図は、昔から豊臣秀吉に限らず嘘っぱちばかりらしいですが、令和になっても変わらないなぁと思いました。
それでいて、家系図作成業者は結構なお金を取るのですよ。
また、家系図を作る意味についても考えます。
もし子や孫が知りたいと思うのなら、今のうちに作っておいた方が良いかもしれませんが、それ以上の意味が私にはちょっとわかりません。
家系図業者は、親族の絆を強めたり、自己肯定感を高めることにつながるとか言ってるようですが、どうも理解しかねます。
中国や韓国などの儒教世界から見ると、日本人は数代前の先祖のことも知らない野蛮人らしい(たしか司馬遼太郎が書いていた)ですが、だからどうした、と思います。